日本のチル系hiphopでエモい雰囲気の曲と言えば
近年は、「タフかつラフで海の向こうからやってきた」感の強かったストレートなリアルヒップホップから、ここ10数年ほどは歌モノや固くない押韻スタイルなどの在り方も浸透しMCバトルなども通して全体的なヒップホップ・リテラシーが底上げされた印象のある成長期でした。
同時に、「ゆるくてもいい、ゴリゴリしてなくてもいいヒップホップ」などの多様性も認められ、現場でニュージェネ陣がパールネックレスに重めセンターパートでアンニュイにラップしても、猫も杓子もニューエラにティンバーだった前時代の界隈からバティマン的な迫害を受けずに済むようになりました。(ヨソの国はどうなんか知らんけど。)
今回はそういった背景を元に、テン年代ごろからシーンに現れ出した一つの新興勢力でもあるキレイでクリーンなヒップホップ(もしくはジャンルレスにそれに準ずる曲)を紹介いたします。
コイツさえあれば行楽シーズン中に車でApple MusicでDJをリクエストされても怖くないどころか、透明感抜群のおしゃれなサウンドで車内をロックしちまうゼ。
わかったらさっさとWi-Fiとあの子の肩をガシッと掴んで再生ボタン鬼タップするんだぞ、ナーセーン?
[おすすめ曲]鈴木真海子 - Contact TOSHIKI HAYASHI (%C) remix
レイチェルとのデュオ・Chelmico(チェルミコ)も逃さずチェック!
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おなじみchelmicoの1人、鈴木真海子(すずきまみこ)ちゃん。
爽健美茶のCMや「未成年ってなんか、、、、ダッサイ😖」と気持ちをラップしていたのも思い出深い、フィーメイルラッパー。ショートカットがすんごい似合うよね。さすが元モデル。さすが"鈴木真海子と結婚してえ"って言われるだけある。
そんな鈴木真海子ちゃんの名曲がTOSHIKI HAYASHI a.k.a %C(パーシー)の手によってリミックス&超エモなヴィデオと共にドロップ。ほんと%Cいい仕事する。
自分が主人公になったような、日常がラップで切り取られたような感覚にヤラれます。(天気のいい週末の午前中とかに聞いてほしい。)
"どこまで君と居れるの トークさえうまくいかない ふやけた愛です"
"好きって気持ちの種類の多さ 簡単なはずないのに空回り"
こそばゆい関係に身を置き、それに甘んじながらも状況に前向きな曲調が素敵。
砂浜でチルしてる描写がいいですね、C.E.のジャケットよく似合ってる。
[おすすめ曲]kiki vivi lily - New Day feat. Sweet William
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沖縄が産んだスーパースター・ヒップホップ界の山Pこと唾奇の所属でおなじみのPitch Odd Mansion(ピッチオッドマンション)から主宰の天才ビートメイカー・Sweet Williamとヘッズのみんな大好きkiki vivi lily(キキビビリリー)!(チル曲feat女王を争うのはkojikojiかキキビビさんやと思ってます)(伝われ)
"それじゃまたね先に行くね"
"朝日が登る度キミを想うけど うんと素敵な恋とかしてほしい"
なかなか甘酸っぱいリリックだなと思っているところ"不思議な感情 Grapefruitsみたい"という一節。
それにSweet Williamといえば大ネタ使い!
今回はBig NoydのUsual Suspect (Stretch Armstrong Remix)きました。
あのアイコニックなピアノの曲でウェッサイ感ありあり。キレイに収まってます。
しかもアウトロはAhmad Jamalのジャズピアノ使いという贅沢仕様。やっぱり彼のネタ使いはNujabes感ありますね。
[おすすめ曲]Dollar Dollar Bill - Kim Mi Jeong
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韓国からキムミジョンちゃん。
以前までyourbeagleという名前で活動していたスキルフルなラップをする女の子。
Dollar Dollar Billと言われるとブルックリンゲットー出身のあのクリームなクルーを想起させられるベテランヘッズも多いとは思いますが、それに反してキャッチーなトラックにキレイに歌もラップもハマってる若き才能。
残念ながら韓国語のため何言ってるのかは分かりませんが不思議なおしゃかわフレイバーの中毒性がしっかりインクルーデッド。必聴です。
一応あのブルックリンゲットーさんズも置いときますね。
[おすすめ曲]Magic Spell (feat. kojikoji, Zettakun & kou-kei)
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"哀しみはメイクで隠してる 平気な顔して けどどこかでキミを探してるよ"
"Magic Spell キミに届けけばいいなって 思って今日も1人で唱えてる魔法の言葉 Magic Spell 叶うわけない願いだって Magic Spell Magic Spell...."
この布陣最高すぎん???
SUKISHAの超オシャレなトラックはR&Bを思わせるような完璧なバランスのミドルテンポで、しかも歌い出しからkojikoji!
更にラップはぜったくん&kou-keiというスタメンで固めたようなメンツかつリリックもめちゃくちゃヤラれる豪華な一曲。とってもおすすめ。
ちなみにMagic Spellは「おまじない」や「(アブラカタブラのような)魔法の言葉」って意味のようです。(シビれません????)
[おすすめ曲]Shuta Hasunuma Philharmonic Orchestra(蓮沼執太フィル) - Meeting Place
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この曲はすごいです、なんせ8分超えの超大作。
まずグループですが公式サイトには「蓮沼執太がコンダクトする、総勢16名が奏でる現代版フィルハーモニック・ポップ・オーケストラ。2010年に結成」とありました。
蓮沼執太さんは2014年はアジアン・カルチュラル・カウンシル(ACC:ニューヨークに本部を構える非営利の財団。ビジュアルアートおよびパフォーマンスアートのプロ集団)へ渡米し、2017年は文化庁東アジア文化交流使の指名を受けて中国北京へ。2019年『蓮沼執太: 〜 ing』展で第69回芸術選奨文部科学大臣新人賞を受賞。というとんでもない経歴の天才。
フィルハーモニーやビッグバンドって学生時代過ぎたら縁遠い人も多いでしょうが、この曲ではネガなイメージを一掃されます。
しかもメンバーには環ROYも在籍。めくるめくループの度にいろんな楽器の音が気持ちよく増えていき、しっかりその上でラップします。
同アルバム、「アントロポセン」に収録されているもう一つのキラータイトル「Juxtaposition with Tokyo」やシングルの「HOLIDAY feat.塩塚モエカ」もおすすめしておきます。
全曲本当に気持ちがいい。スティールパンとマリンバの音の混ざりや、生音ドラムの乾いた鳴りや弦楽器の荘厳さなんかはクラシック曲サンプリング好きにはめちゃくちゃ刺さると思います。
[おすすめ曲]FARMHOUSE - 靴下 feat. kojikoji
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"いつの間にか無くなった片方の靴下~♪"という2人のコーラスで始まるこの曲、日常のあるあるソングかと思いきや、「いつもニコイチなアナタとワタシが離れた」的な暗喩と含蓄の二枚使い。一般シチズンなリリックがジワ良き。
それに"理解できない?走馬灯のようね"というkojikojiパート、ウィスパーのような歌声で"り、かい、でき、ないっ??↑↑"というガーリー全開な箇所はファン悶絶。ファンじゃなくても悶絶。もう皆殺しなんだよなあ。
ファームハウスもスシボーイズ時代よろしくな歌パートもラップも裏切らないスキルでバッチリ。何回聞いてもリズミカルでキモチイイ仕様になってます。
彼は気取らないリリックがいいですよね、、、。コーラスに合わせて歌うとこれまたアジですよ。SUSHI BOYS時代の"DRUG"でも久しぶりに聴いてアガってみては?😋💊
まとめ
以上、ヒピティホピティ成分少なめでお送りしました。
お楽しみいただければ、また、ディグのお供になれば幸いです。
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