正反対の音楽だと思っていませんか?
アップテンポで自由なスタイルで演奏されるヒップホップと、厳かなイメージと共に格式があるクラシックでは音楽のジャンルとして正反対だと思ってしまうかも知れませんが、この2つを融合させた“ヒップホップ・クラシック”と呼んでいるジャンルがクラブシーンでも密かなブームとなりつつあります。
その理由として、クラシックがどれも聴き飽きるような音楽ではないことと、曲名や作者は知らなくとも誰でも一度は耳にしたことがある楽曲がベースな為、自然に入り込めるという点が挙げられています。
ここではそのようなヒップホップ・クラシックの中でもチェックしておくべき楽曲を7曲ほど紹介していきます。
SWEETBOX Miss You
SWEETBOXはクラシックをアレンジした楽曲を多数作成していることで有名なドイツの音楽グループです。その数々の楽曲の中でも「威風堂々」をアレンジしたこの曲は、独特のカッコよさがありながら、原曲のイメージを壊さずにその壮大さを存分に表現していると評判です。
SWEETBOX Everything's Gonna Be Alright
同じくSWEETBOXの楽曲で、ドラマのエンディングシーンのような冒頭からピアノの演奏へと移行し、原曲が「G線上のアリア」であることが序々に分かってくる流れは、同グループがこのヒップホップ・クラシックというジャンルの第一人者と言える存在になるきっかけとなった一曲です。このSWEETBOXは大人気ゲーム、ファイナルファンタジーシリーズの北米版のテーマソングを担当したこともあり、親日家であることも知られています。
ETERNITY Wonderful World
カノンのアレンジ楽曲で、原曲のイメージを残しながらうまくバラード仕立てにおり、それでいてヒップホップ独特のリズムを刻んでいます。このETERNITYは先のSWEETBOXの元ボーカルが独立して作ったという経緯があり、このヒップホップ・クラシックというジャンルにおいて今ではそちらといいライバル関係だと言えるグループです。
ETERNITY I Will
これもETERNITYの楽曲で、ビバルディの「四季」の「春」をアレンジしています。冒頭からの原曲をアップテンポにした爽快な演奏は聴いていてとても気持ちがよく、途中からそれにラップが乗ってくるというヒップホップならではの流れになり、これぞヒップホップ・クラシックといった曲に仕上がっています。
A+ Enjoy Yourself
誰でも一度は聴いたことのあるベートーヴェンの「運命」のヒップホップアレンジです。冒頭のジャジャジャジャーン!というあのメロディですぐにそれが分かり、その後も原曲をなぞりながら、それに沿ったラップが繰り広げられる意欲作です。
NAS I CAN
子供たちによるコーラスが特徴的なこの楽曲は、ピアノの演奏でお馴染みの「エリーゼのために」をヒップホップ風にうまくアレンジしています。あの特徴的な旋律はそのままに、子供のコーラスやラップ調の声がうまく重なっているこの曲は、DJによるスクラッチの腕の見せ所とも言われており、クラブで流れた際には注目です!
Down Low The Moldau
ベートーヴェンのピアノソナタ「月光」の第一楽章をアレンジしたこの曲は、原曲より悲壮感が表現されているという評価があるほどで、クラシックとヒップホップとの融合もここに極まりと言えるものとなっています。あまり著名ではないアーティストながら、このジャンルのファンの中ではまず曲名が挙がる1曲だと言っていいでしょう。
食わず嫌いではもったいない楽曲ばかりです!
人によっては、「さすがにクラシックとヒップホップは合わないだろう」と考えてしまうことでしょう。ですが、最初から食わず嫌いになってしまってはもったいないジャンルなので、そのような人にもここで挙げた曲だけでも是非聴いて欲しいと思います。
普段はアゲアゲの楽曲を好んで聴いているような人にも刺さる曲がきっとあることでしょう。そして、全く異なるクラシックというこれまで縁のなかったジャンルにも興味が涌いてくるかも知れません。
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