より濃厚で濃密なエレクトロニカであるアンビエントを追求しよう!
Tim Hecker | Prism
ティムヘッカーを知っている人は、ある意味で本当のエレクトロニカやアンビエントを好きな人と言っても過言ではありません。そもそも論として、エレクトロニカは分かるけどアンビエントは何なの? という人も多いでしょう。簡単に解説すると「環境音楽」になるので、病院やスーパーなどで何気なく聴こえてくる当たり障りない楽曲もある種ではアンビエントと捉えることも出来るでしょう。
しかし、これがエレクトロニカから派生した現代版の電子ミュージックのアンビエントとなると少々違いがあります。強いていうならアンビエントの大本であるブライアンイーノやクラフトワークは、環環境音楽に近い面もありますが、Tim Hecker(ティムヘッカー)などは病院で掛けると精神が病みそうですw
この人はアルバムを多くリリースしているので最初に購入するものを迷うと思いますが、まずは大名盤でもある2013年発売の"Virgins"を大プッシュ致します。
Oneohtrix Point Never | Mutant Standard
ワンオートリックス・ポイント・ネヴァーはエイフェックスツインなどが好きな人には、お馴染のアーティストと言えるでしょう。
欧米での評価も高く、アルバムは軒並み名盤ぞろいです。楽曲の幅が広いので正直アンビエントらしい落ち着くサウンドで統一はされていませんが、それでもエレクトロニカ/アンビエントの現代を代表するトップランナーであるのは間違いありません。
Mutant Standardが含まれるアルバムGARDEN OF DELETEは、まるで分裂症のようにあらゆるサウンドが一枚に含まれていて、少々困惑・混乱する人も出るでしょう。
これがアンビエントの名盤と言うのは、ちょっとズレていると私も思いますが、激しいサウンドの裏の非常にアンビエントらしい安らかなメロディを発見できるとより一層本作を楽しむことが出来るでしょう。
Ben Frost | Venter
最初は静かに始まりアンビエントらしいと思ったのもつかの間、後半から一気に激しく叩きこむという急展開が素晴らしい名曲がVenterです。
ベンフロストもエレクトロニカ界では奇才や天才と呼ばれていますが、日本ではまだ知名度が低く一部のコアな音楽ファンだけが知る存在です。
でも、それで埋もれるにはとても惜しい存在です。もし、Venterが入るアルバムAuroraが気に入らないなら、By the Throatというアルバムを聴いてみて下さい。
こちらも名盤でノイズサウンドがクセになります。「ノイズでアンビエント?」 首を傾げたくなるのも理解できますが、これもまた世界基準ではアンビエントなのです。
Bonobo | Emkay
ボノボは美しいアンビエントを求める人にはおすすめアーティストです。今回紹介している中では、納得の王道アンビエントであり楽曲やアルバム毎の美しさでは群を抜いています。
当然世間の評価も高く、アマゾンなどのレビューを見ても軒並み大絶賛となっています。
この曲は2013年発売のThe North Bordersに収録されていますが、他にも高揚感を感じさせる名曲がいくつも入っています。
ボーズオブカナダ、エイフェックスツインなどに似た雰囲気があるのでこれらのファンも納得できるアーティストです。必聴です!!
Boards of Canada | Jacquard Causeway
エレクトロニカミュージックでとにかく評価が高いグループ(アーティスト)が、ボーズオブカナダです。基本的には同じような曲調ばかりなので単調に聴こえますし、エイフェックスツインのような派手さもないので、どうしてここまで絶賛の嵐なのか最初は理解に苦しむ方も多くいらっしゃるでしょう。
一般的にはこの曲が入っているアルバム Tomorrow's Harvestや Geogaddiが名盤とされ、私も当然即購入したのですが最初は何度聴いてもメリハリが無くてダメでした。
しかし、ヘッドフォンなどで自分だけの世界に入らせてくれるにはとても良いアルバムなのです。そして、派手さを抑えているのは、実は毎日の生活って単調で変わった事など何もないですよね。その現実世界と調和させるという面では、これほど効果的なアルバムを連発するアーティストもいません。決して合わないと決めつけないで、何度も聴くと新しい発見がきっとあります。
Brian Eno | 1/1
アンビエントを語る上で絶対的なアーティストが、ブライアンイーノです。それは、音楽の歴史が少し変わればモーツァルトやロバートジョンソン、プレスリー、ビートルズ、ビヨンセなどと肩を並べる存在となったはずです。しかし、ネームバリューという面ではこれらの偉人と比較すると影がかなり薄いです。
それはこの曲を聴いてもその通りで、アンビエントの大傑作であり歴史的大名盤のアルバムAmbient 1: Music for Airportsというオープニングナンバーなのに、どこか達観して終了宣言のようにも聴こえてしまいます。しかし、ブライアンイーノから影響を受けたエレクトロニカやアンビエントアーティストが、いくら楽曲を制作しても結局はこの曲以上の価値を見出せていないのも皮肉なものです。
激しい曲や画期的なインパクトある曲は作れても、静かさや癒しという分野になるとこの曲を超えるのは、どうやら不可能なようです。
Autechre | irlite (get 0)
闇夜の散歩にピッタリなのがオウテカ。それは不気味な曲が多く、さらに無機質で感情を感じさせないのが、現代らしいとアンビエント界隈では大変愛聴されていました。
オウテカはイギリスの二人組で、当初はテクノ的なアプローチが強かったと記憶しています。しかし、テクノよりもアンビエントやビートミュージックなど独自の世界に入り、そこで一気にその名を音楽ファンに広めました。ロックファンからも人気があり、それはレディオヘッドのトムヨークがファンを公言しアルバムもモロに似た作品となったからです。
以上、いかかでしたでしょうか。
アンビエント初心者から玄人まで楽しめるラインナップを意識して挙げさせて頂きました。
少しでも共感していただける所があれば幸いです。