今回は、クラブミュージックで一番渋くてオシャレなエレクトロ・スウィングの魅力についてご紹介します!
過去×現代!?エレクトロ・スウィングとは?
みなさん、スウィングガールズという映画をご存知ですか?
2004年の日本映画で、「東北の田舎の女子高校生がビッグバンドを組み、ジャズを演奏する」という内容の青春映画です。
まあ、この映画の内容はどうでもいいので知らない方は「JKがジャズする映画!」ぐらいの認識でかまいません。ここで注目してほしいのは「スウィング」という言葉です。「スウィング」とは音楽の中でもジャズにおける専門用語で、ジャズ特有のリズムを指し示す言葉です。それが転じて、ジャズ演奏家への称賛の意味合いを持つようにもなり、「スウィングしてるね!」と言ったら「あんたらの演奏マジ熱いわ!」というようなニュアンスになります。
要するに「スウィング」とはジャズの根幹であり、ともすればジャズそのものを表す言葉なのです。
さて、今回紹介するエレクトロ・スウィング。
一目見てみなさんお気づきだと思いますが、「スウィング」という単語が入っていますね。つまり、エレクトロ・スウィングはジャズの一種です。しかし、従来のジャズとは大きく異なる点があります。
それはエレクトロ(電子音楽)であることです!
エレクトロ・スウィングはジャズでありながら、エレクトロニカの一種なんですね。
曲の雰囲気はYouTubeなどで「electro swing」と検索して出てくる曲のどれかを聴けばなんとなくわかると思います。オススメ動画を貼っておきますね。
Electro Swing Collection
この動画はエレクトロ・スウィングの定番曲を集めたものばかりですが、ほぼすべての曲に共通する点があります。それが以下の2点です。
- フィルターやサンプリングなどエレクトロニカの特徴を利用している。
- リズムやメロディはジャズやブルースをモチーフにしている。
この2点をまとめると「エレクトロ・スウィング」=「ジャズの音楽性を持つエレクトロニカ」であるといえます。つまり、ジャズという少し古い音楽と、エレクトロニカという新しい音楽を掛け合わせた「過去×未来」の音楽ジャンルといえます。ありそうでなかった組み合わせから繰り出される曲は、従来のダンスミュージックとは一線を画すメチャクチャ渋くてオシャレなものばかり!EDMやテクノがあまり好きでない人でもハマるダンスミュージックだと思います!
エレクトロ・スウィングの中には過去の曲をサンプリングしてアレンジしたものもあり、往年のジャズファンもニヤリとすること間違いなしです!
オススメのエレクトロ・スウィング大紹介!ノッてノッてノリまくれ!
Benny Goodman - Sing Sing Sing (Welcome Matt Electro Swing Remix)
ジャズ界トップクラスの名曲Benny Goodmanの「Sing Sing Sing」のエレクトロ・スウィングバージョンがこちらです。原曲は80年以上前に作られたものですので、もちろん元々エレクトロ・スウィングというわけではありません。この曲は、「Sing Sing Sing」の原曲データを元に、コンピュータ上で楽曲の一部を切り貼りしたり、新たに音を加えたりすることで、元の曲の良さを保ちながら新たな曲に仕上げた作品になっています。
Parov Stelar - All Night
Parov Stelarはオーストリア出身の天才ミュージシャンです。まだ43歳という年齢ですが、彼はエレクトロ・スウィングの基盤を作り上げた人物として、様々なアーティストから敬意を抱かれています。この曲はそんな彼の代表曲であり、エレクトロ・スウィングのベスト盤を作るならば絶対に欠かせない一曲です。音色や雰囲気はジャズ一色ですが、よく聴いてみるとリズムはダンスミュージック寄りであることがわかります。まさに、ジャズとEDMの融合ともいえるこの曲。ぜひ聴いてみてください。
Parov Stelar - Catgroov
Parov Stelarの大定番を紹介したところで、個人的オススメもご紹介いたします。『Catgroov』という変わったタイトルのこの曲。唐突に始まるノリのいいイントロから、盛り上がりのあるサビ。間奏は特になく、サビのメロディとリズムが小気味よく最後まで続き、大きな展開もなくヌルっと終わる。彼の曲の中でも、かなり渋めというか、人を選ぶ構成で作られています。自分も最初聴いたときは「適当に作ったのか?」とクエスチョンマークが浮かんでしまいました。しかし、この曲の魅力はリピート再生しまくるとわかります!適当に作ったなんて言えない、計算されたメロディが耳について離れなくなります!YouTube上ではなんと10時間サビのフレーズが流れっぱなしの動画が作られており、しかも70万再生されています。つまり、世界のどこかで『Catgroov』が700万時間以上聴かれている、という計算です!笑 この事実からも、この曲のスルメ曲っぷりがわかると思います!ぜひ1度聴いてみてください!
Swingrowers - Butterfly
さて、新進気鋭のエレクトロ・スウィングも紹介しておきましょう。イタリア出身の4人組である彼らが作る曲は、従来のエレクトロ・スウィングと比較して現代人の耳に合うようになっています。その中でも昨年発表されたこの『Butterfly』は必聴です。Parov Stelarが作り上げたエレクトロ・スウィングの基礎を大切にしながら、現代のポップスの良さも取り入れており、100人中100人が「カッコいい」ということ間違いなしの曲です。日本でも公演をすることもるので、Swingrowersの今後に注目しましょう!
さて、ここまでエレクトロ・スウィングの紹介をしてきましたがいかがでしたでしょうか?
みなさんも、ぜひ自分のお気に入りの一曲を見つけてくださいね!
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