R&B、ファンクのクラブ向けミュージック5選!
カーティス・メイフィールド「Move On Up」
賑やかなホーンがいきなり始まり、そこで面食らっていると一気にカーティスの飛ばし気味のボーカルが畳みかけます。これはカーティスを代表する一曲だけでなく、ソウルや70年代のブラックミュージックを象徴する名曲中の名曲です。
そして、個人的にはあまり難しい事を気にしないで、最高のクラブミュージックとして現代でも通じる前提があるので、お薦めしているのです。リズム隊がタイトながらスリリングで、まるでスパイ映画なら最高のタイミングで流れてきそうだと思いませんか? 何よりも、70年代以降のヒップホップやロックは、この曲から多くの事を学びいかしています。カーティスのこの曲がなければ、カニエウエストやケンドリックラマー、ポールウェラーやプライマルスクリームなどは名曲を生み出せなかったのです。そんな経緯も踏まえると、今でもクラブで流れたら最高の音楽であり、思わず体が踊りだしたくなる最高の曲です。
マーヴィン・ゲイ「Lets get it on」
ソウルやディスコ、或いはファンクやR&Bなど、ジャンルは問いませんがこの手の曲が好きなら、マーヴィンゲイも絶対に外せない最高のアーティストの一人です。音楽史に残る伝説的なアーティストで、アメリカなどでは20世紀最高のソウルシンガーとして、最早常識になっています。
印象としてバラード的な甘酸っぱい曲が多いイメージですが、それは大ヒットした曲がその様な展開が多いからでしょう。しかし、隠れた名曲などにはアップテンポな楽曲もあり、そちらもファンの間では人気曲となっています。もちろん、絶対に忘れてはいけない「What's Going On」という大定番曲もあるので、それらをまとめて聞く事をお薦めします。
パーラメント「Give Up The Funk (Tear The Roof Off The Sucker)」
カーティスやマーヴィンが王道のソウルやファンクなら、パーラメントは知る人ぞ知るファンクグループになります。もちろん大変有名なグループで、洋楽のファンク好きにはお馴染ですが、一般的には昔のグループでもあり認知度は低いです。
でも、カーティスやマーヴィンよりもドロドロしつつバカみたいな陽気さも求めているなら、これほど適してクラブミュージックもないと思えてなりません。パーラメントを聴くと毎回思うのは、このグループはメンバー全員が自己主張が激しく、それぞれが良い部分を出そうと必死なのでしょう。だから、メインとなるボーカルメロディ以外も良い意味でアクが強く、それが唯一無二の個性となって光っています。クラブミュージックとは、閉鎖空間で聴いているとどの曲も同じような感じに聴こえてくることがしばしばあります。それは良い事でもあり、欠点でもあります。全体の流れで統一感もありますが、後から印象に残る曲がまったくないという事もあるのです。でも、そこにパーラメントがある事で、個性を発揮できるのです。
ファンカデリック「Good To Your Earhole」
イントロなどはロック調にも聴こえなくもないですが、ボーカルが聴こえた瞬間にコテコテのファンクで笑ってしまいます。この曲はとにかく濃く、別の意味で表現するなら、当然ながらノリが良い最高のグルーヴを終始展開しています。普通は途中で、メリハリというか少し落として、それで最後のサビで再び盛り上げるのがポップミュージックの基本なのですが、そんな事もお構いなしに突き進むのがファンカデリックらしくて心地よいです。多分、カーティスなどよりも今の若者にはウケると思うので、それがクラブミュージック向きである所以です。
ギル・スコット・ヘーロン「The Revolution Will Not Be Televised」
60年代や70年代の音楽を聴いて、楽曲は良いけど全体的に静かであったり大人しい印象を抱く事はありませんか? それは当時のレコーディングなども関係していますし、時代的に仕方がないのですが、そんな印象を拭い去る最高のブラックミュージックがこれです。
ヒップホップやラップの代表の元祖とされる曲はいくつかあり、例えば音楽的にはクラフトワークやアフリカ・バンバータなどがそうだとされています。でも、これらの楽曲を聴いてもどうも違うと、感じる人が多いと思いますし、特に若い年代ほど顕著でしょう。それは、ラップ部分で現代でも通用するカッコ良さが足りないからです。
ですが、ギル・スコット・ヘーロンのこの曲はファンクやR&B的ながら、歌に関しては、ラップの始祖とされています。彼の歌いっぷりは、今のラップでしかなく、それが後世にとんでもない影響を与えたのです。
その背景を知ってから、もう一度聴いてみると、持っているパワーや音楽歴史なども感じられて思わず嬉し泣きするほどの名曲であると感じるでしょう。もちろん、クラブミュージックとして他のどの曲にも負けない名曲であるのも、付け足しておきます。
純粋なR&Bやファンクとは違う、という盲目的な音楽ファンやジャンル分け至上主義の人もいるでしょうが、あまりにも分類して音楽を語るより、大局的に見る事で全体を掴めるものもあります。それがこの曲の持っているパワーです。